インデックスファンドによる資産の防衛


それぞれの株式や債券、あるいは商品先物等の価格は市場参加者の思惑や企業の決算、業績、開発、人事等様々な容認によって左右され、もはや複雑系と呼んでも過言ではない様相を呈している。

これを完全に読み切るのは到底不可能で、ランダムウォーク理論はまさにそのことを資料の裏付けによって明らかにした。

それによって高給取りのファンドマネージャーに本当にその価値があるのかという問いかけを突きつけ、証券業界に衝撃を与えたが、いまだにファンドマネージャーたちの破格の給料、たとえばトップクラスになると年収が数億円〜数十億円という状況は変わってはいない。

とは言え、個人が資産防衛をする上で、このランダムウォーク理論は重要な意味を持っている。

プロのファンドマネージャーですらも、サルにダーツを投げさせてルーレットで投資先を決めるのと長期的に見れば運用成績が変わらないとなれば、ひとまずインデックスファンドで広くさまざまな市場に投資をして置き、守りを固めておくという結論に至る。

その際に考慮すべきポイントとして、まずは手数料の安さが挙げられる。

個人投資家が確実に負ける要因として手数料が存在するが、この部分が安いに越したことはない。

逆に言えば、大量の手数料を取られれば勝つのが難しくなるだけではなく、ほぼ負けが確定してしまう。

また、どのような分散になっているかということも重要で、たとえばトピックス連動型なのか、日経平均に連動しているのかでも違うし、同じようなインデックスファンドであっても、実際の値動きを見ていると忠実に指標と連動しているものと、一時的に大きなかい離が生まれるものもある。

特にリーマンショックとかスイスフランスショックのような大きな出来事があった時には、急に値動きが起きるのでインデックスファンドがうまく機能しない場合もある。

そういった危機の相場は、本当の意味で指標通りに動いているインデックスファンドを見つけるチャンスでもある。

こうして様々な市場にインデックスファンドによって、あるいはその他の長期積み立て投資により広く分散していけば、世界経済の発展とともに、それにともなう利益を享受することができる。

ただし、税金も持っていかれるわけなので、結局のところ、税率が高いと手数料が高い会社を使って投資をしているのと変わらない。

こうしてみると、個人投資家の置かれている環境はなかなか過酷なもので、継続的に勝ち続けるのは砂漠の中でオアシスを見つけようとするようなものかもしれない。

とはいえ、ただ単に現金で放置しておくだけでもインフレ耐性が弱いし、余剰資金がある段階で資産運用というのは誰しも必ずしていること。

それは本人が運用という意識があるかどうかとは全く別で、たとえタンス預金にしていたり、定期預金に入れてあっても、それも間違いなく運用の一つになる。

ただそれが積極的か消極的か、利益を狙っているのか元手が減らなければいいと思っているだけなのか、という差でしかない。

この辺りは人によってかなり感覚に差があるところで、投資をしていない人は自分が資産運用をしているなんて夢にも思っていなかったりする。

「Journal of Happiness Studies」という専門誌に発表された研究論文によると、一部の遺伝子が幸福度と深く関係を持っているというが、資産運用の意識の高さは遺伝よりも経験や環境によって左右されると思われるので、正しい教育がなされれば日本人の投資意識も変わってくるはず。

それはすぐ近くの香港を見てもうかがえることだし、いつの間にか資産が目減りしているという恐ろしい状況に遭遇するまで気付かないという惨事を防ぐためにも、現実をありのままに受け止める客観的な視線が望まれる。

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