ロシアがモルドバにもちょっかいを出している


ロシアというのは考えてみると不思議な国で、経済が強いわけでもないし、破たんしかけたことすらあるくらいなのに、いまだに世界的な影響力を保持している。

冷戦時代には宇宙開発でアメリカと二大巨頭として並んだ科学大国である一方、21世紀になってから15年がたつ今でもまともにシベリア鉄道は定時運行すらできず、国内の交通インフラすらも国際水準からみればボロボロなのに、政治的、軍事的な面でみるとどうしたって無視することが出来ないだけの存在感がある。

それは最近だとウクライナとの間でも見られたことで、世界にきな臭い雰囲気を漂わせているが、モルドバにおいても問題を起こしている。

そもそもモルドバがどこにある国かというと、ちょうどウクライナとルーマニアに挟まれる形で存在しており、黒海のすぐ近く、ワインの輸出国としても知られている。



最近だとそれ以上にモルドバの知名度を上げたのは、政治のスキャンダルで、10億ドルの資金が不正にオフショアに送金されたことが指摘されている。

警察庁の調べによると、自由党のフィラート氏が中心人物とされ、モルドバの議会はフィラート氏に対する不逮捕特権の剥奪の決議を行い、逮捕に至っている。

ここからモルドバにも議員の不逮捕特権が存在することがうかがえるが、今回の不正送金で驚きなのは、金額が10億ドルということだが、それがGDPの約8分の1に匹敵するということ。

いかに経済規模の小さい国であるかということがよくわかる。

この不正送金はどうやら三大商業銀行からロシアの銀行をいくつか経由したものと思われるが、これによって政治的に不安定となった部分もあり、本来ヨーロッパに近い距離にあった自由党がダメージを受け、結果的にロシア寄りの政党にとって有利な情勢となっている。

ロシアがモルドバに何をしているのかというと、簡単に言えばウクライナと似たようなもので、自分の側に引き入れようという動きが激しい。


ロシアとヨーロッパの綱引き

当然ながらヨーロッパ諸国としてはロシア側にモルドバがつくのは避けたいが、ロシア側も露骨に「衛生面で問題がある」と言いがかりをつけてモルドバ産のワインの輸入を停止したり、フルーツや畜産品の輸入の停止措置をとったりと、無言の圧力をかけている。

一方でヨーロッパ側も、モルドバがロシア寄りに傾いていくのは避けたいので、自分達の側に引き入れたい。

先ほどの不正送金などの面もあり、徹底的に追及し理由を解明したい一方で、親ヨーロッパの政党にこれ以上ダメージを与えると、結果としてロシア寄りの政党を助けることになってしまい、こういったジレンマに陥っている。

今後どうなっていくのか、ウクライナとともにかなり怪しい雲行きになっているが、どちらにしてもロシアが相変わらず国際社会の動向について大きな影響力を持っていることを改めて示唆する結果となっている。

ロシアについては、定期預金の金利も高いので、銀行の口座開設に行こうかとも思っているのだが、こういった事情を見るとなんだが及び腰になってしまうのが実際のところ。

透明性や安定を求めたところで、それが叶えられる国とも思えないので、この辺りは非常に頭の痛い問題となっているが、今後も継続して観察していくしかない模様。

情勢によってはヨーロッパに行く時に、ロシア経由の航空便を予約することも避けたほうがいいのかもしれない。

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