海外生活では治療より予防が重要


セールスの世界では、予防のための商品は販売が難しく、治療用の商品のほうが売りやすいということが基礎知識として浸透している。

例えば、糖尿病にならないために運動をしようとか、あるいは食事を節制するように心掛けようという呼びかけに応じて行動する人は少ない。

しかし、いざ糖尿病と診断され、合併症によって目に異常が起きたり、腎機能に問題が出てきたりすると、途端に糖尿病用の食事や運動に時間とお金を使う人が増える。

人の心理として、このままではまずいと思っても、本気で予防をしようと思うことは少ないが、いざ問題が起きると慌てて対処しようとするもの。

しかしながら、海外生活での健康管理を考えると、いかにしてしっかりと予防をしておくかが重要になる。

日本に住んでいる場合、健康保険への加入が義務付けられており、日本の場合は国民皆保険制度が定着しているため、通常であれば3割負担で治療を受けることができる。

さらには月当たりの金額が一定以上になると高額療養費の制度もあるので、極端に高い負担をしなくてはいけないことは、原則としてない。

例外としては、最先端医療等の場合は自費診療になる場合もあるが、基本的な医療を公的な資金で受けられる仕組みがある以上、受け身の体制で問題が起きたら病院に行くというのも納得できる話。

その結果として、一部の病院が老人の寄り合い所のようになってしまっているという問題も起きているが、アメリカ等の公的保険が不十分な国を見ても、国民皆保険制度がいかに安心感をもたらしているかということは計り知れない。


健康保険を解約

一方で、海外居住者になる際に、住民票を抜くのと一緒に、健康保険も解約してきたので、そうなると、自費で治療を受けるか、自ら保険に入るか、あるいはクレジットカード付帯の旅行保険を使うかといった選択肢が出てくる。

自費で治療を受ける場合であれば、当然ながら病院に行かないほうが手間もお金もかからないので、問題が起きてから治療を受けるよりも、普段から予防に費用を使ったほうがいいということになる。

例えば疲れをとるためにマッサージに行くのもそうだし、私のように外食が多いのであれば、健康的なものを食べることもそれにあたる。

野菜が不足していたら、多少費用が掛かってもサラダを付け加えるとか、温野菜を追加で頼むのも、予防のための費用ということになる。

ときには食べきれない量になってしまうこともあるが、それでも体調を崩してから治療にお金を使うぐらいであれば、予防を心がけておくほうが、よほど賢明な処置ということになる。

旅行保険に加入する方法もあるが、実を言うと長期での海外旅行保険は保険料の金額がどんどんあがってきていて、こちらも決して小さな負担ではない。

また、クレジットカードに付帯している海外旅行保険を利用する手もあるが、金額には上限があるうえ、治療費を払い戻ししてもらおうとすると、わざわざ日本で手続きをしなければいけなかったりして、かなり面倒な思いをせざるをえない。

そういったことを考えると、やはり病気にならないように未病の段階で食い止めるということが重要になる。

例えば温冷浴や気功法、ヨガ、アーユルヴェーダといったものを試すようになったのも海外に出てから。

なんとなく保険というベールで守られている状態から、肌身をむき出しにしているような野生の状態に戻されると、自分の体について真剣に向き合うきっかけになったし、結果としてかえって好ましい状態になったのではないかと分析している。

他人に守られている状態は健全ではないので、自己責任を意識しながら日々を過ごすのは、不安定でなにが起きるかわからない現実とまっすぐに向き合うために悪くない姿勢だと自負している。

よく読まれている記事

1位:海外移住の電子書籍を無料プレゼント中

2位:フィリピン永住権、クオータービザを取得完了

3位:マレーシアに移住して分かった生活費・ビザ・仕事・食事の現実



メールアドレス

ページの先頭へ