スターウォーズ、フォースの覚醒をバンコクで鑑賞


セブに住んでいるときに「スターウォーズ エピソード7 フォースの覚醒」の公開が始まっていたようだが、バンコクにやってきてようやく見ることができた。

一部にはその出来が酷評されているようだし、必ずしも評判がいいわけではない。

期待値の高さは異常なほどだが、ディズニーが作ることになったことや、前作までの枠の中から抜け出せていないという指摘は、確かに作品を見てみて納得できる部分もあった。

しかしその一方で、物語の構成としてはうまい部分もあると感じる。

まず一つは、前回までのエピソード6において重要な役割を果たしていたルーク・スカイウォーカーの扱い。

彼がエピソード7以降も大きく出しゃばりすぎると全体のパワーバランスが崩れるし、かと言って簡単に死亡したことにしてしまうのも、強い個性を持ったキャラクターの浪費に他ならない。

その点、ルーク・スカイウォーカーの地図という謎を残して彼がアシストしているという設定は、物語に深みを持たせ、さらには終盤において彼の姿を見せることで、これから続くエピソード8と9に弾みを持たせる上で、とても有効な演出だったと思う。

いかにしてこれまでの歴代のキャラクターをうまく引き継ぎながら次に進んでいくかという苦悩はシリーズ物の宿命だが、スターウォーズはこれまでの遺産ともいうべき人気キャラクターが多数いるので、その扱いは重要な意味を持つ。

今回のフォースの覚醒においては、ハン・ソロがチューバッカとともに活躍したが、最後には息子のカイ・ロレンにライトセーバーで刺されて死亡した。

そしておそらく、ハン・ソロの死によってカイ・ロレンはフォースのダークサイドの面でさらに先の世界へ進むのだろうし、それによってファーストオーダーの最高指導者であるスノークが次の段階に進めるというような発言もあった。

そして、このカイ・ロレンの親は、ハン・ソロだけでなく、レイア将軍でもある。

レイア将軍といえば、ルーク・スカイウォーカーと兄弟で、父親であるアナキン・スカイウォーカーの血を継ぐ。

つまり、カイ・ロレンはダークサイドに落ちながらも、その血統においてはスカイウォーカーの正統な後継者でもある。

さらに言えば、彼はダースベーダーであるアナキン・スカイウォーカーの崇拝者でもある。

主人公のレイに最後の戦いで敗れるが、地割れによって一命を取り留めたことで、エピソード8、エピソード9においても重要な役割を演じると思われる。

そして今回はドローンとしてBB8が登場したが、最後にはR2-D2も復活し、C-3POも登場して、過去の物語を引き継いで先に行けるという期待感を持たせた終幕となった。


物語と血統

血統主義は近年の週刊少年ジャンプにおいても指摘されているところで、たとえばワンピースは主人公のルフィーの父親が革命家のモンキー・D・ドラゴン。

さらに祖父は海軍の英雄ガープだし、NARUTOを見れば主人公のナルトの父親は四代目火影の波風ミナト。

さらにその息子のボルトへと物語が繋がって、新時代プロジェクトも立ち上がっている。

こういった部分では確かに血統主義と指摘されるのも無理がない。

その一方で、物語において血統は無視できない構成要因でもあり、ストーリーテラーにとって手を出したくなるのは当然のこと。

スターウォーズにおいてもアナキン・スカイウォーカーからレイア将軍、そしてカイ・ロレンへと脈々と受け継がれる血。

そしてこれから何らかの深い関与をしていくであろうルーク・スカイウォーカーの存在感。

こういった人物たちが物語に奥行きを持たせてくれる。

今回も三部作の一部目ということになるので、消化不良の感は若干残るものの、次回以降の展開に期待したい。

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